コンテンツへスキップ
経営

一皿の原価を計算する

一皿の原価を計算するとは、歩留まりを含めた食材の実際の費用を出すことです。仕入れた量ではなく皿に乗る量で各食材の費用を足し、税抜きの売価で割ります。飲食業で健全なのは25%から35%です。

公開日: · 更新日:

原価率30%で考えているなら、もう同じ計算をしています

日本の飲食では原価率という言い方が定着していて、30%前後を目安に置く店が多いはずです。ここで扱うのはまったく同じ数字です。原価率33%は掛け率3倍、25%は4倍にあたります。

違うのは計算ではなく、何が見えるかです。掛け率は価格を出してくれます。原価率は皿どうしの比較と時間を追った比較、そして仕入先が値上げしたときに動く数字を出してくれます。

そしてどちらの方法でも、いちばん抜けやすいものが同じです。歩留まりです。

一皿の原価とは何か

一皿の原価表です。それをテーブルに出すのにいくらかかるか、食材だけで数えたものです。人件費も家賃も光熱費も入りません。それらは店全体の利益に入るもので、皿の利益ではありません。

役に立つのは2つの具体的なことです。感覚ではなく根拠を持って値段を決めること。そして、よく売れているせいで誰にも気づかれずに損を出している皿を見つけることです。

ほぼ全員が飛ばす手順:歩留まり

じゃがいもを1キロ買っても、1キロが皿に乗るわけではありません。乗るのは皮をむいたあとに残る分です。1キロ1,20ユーロで買い、皮むきで20%失うなら、実際に使う1キロは1,50ユーロかかっています。

式はそのままです。1キロあたりの実費 = 仕入価格 ÷(1 − 歩留まりロス)。この調整をしないと、どの原価計算も低く出て、どの利益も実際より良く見えます。

  • 皮をむく野菜:15%から30%のロスはふつうです。
  • 丸ごとの魚をおろす場合:50%を超えることがあります。
  • 骨つきの肉:部位によって20%から40%。
  • 下処理済みですぐ使える商品:ロスはありません。

実際の一皿でやってみる

メニューにあるふつうの皿を、歩留まりと売価つきで取ります。売価は必ず税抜きで取ります。付加価値税は店のものではなく、税務署のために預かっているだけです。

タコのグリル · 1人前
ゆでダコ  200 g · 24,00 €/kg · ロス 10 % → 5,33 €
じゃがいも 150 g ·  1,20 €/kg · ロス 20 % → 0,23 €
オイルとパプリカ  —  ·    —    ·   —      → 0,35 €
塩、つけ合わせ    —  ·    —    ·   —      → 0,15 €
──────────────────────────────────────────────
原価                                      → 6,06 €
売価 18,00 €(税込)→ 16,36 €(税抜)
原価率:6,06 ÷ 16,36 = 37 %(掛け率2,7にあたる)
この皿の粗利:10,30 €

健全な原価率と、危ない原価率

原価率、つまり食材費を税抜き売価で割った数字は、スペインの飲食ではおおむね25%から35%に収まります。25%を下回るのは珍しく、食材が抜けていないか見る価値があります。40%を超えると、その皿が他の売上を連れてくる量がない限り、単体では持ちません。

例のタコは37%で高めです。それでもメニューに置きたい皿でありえます。1人前で10,30ユーロの粗利を残していて、原価率が良くて安い皿の多くより大きいからです。だから原価率は単独で読まず、ユーロで見た利益と売れた数の隣で読みます。

毎回もどってくる4つの間違い

どれも皿を実際より儲かって見せます。間違える方向としては危ないほうです。

  • 税込み価格で計算する。見かけの利益を10%から21%ふくらませます。
  • 歩留まりを忘れる。いちばん多く、いちばん歪みます。
  • オイル、塩、パン、つけ合わせを数えない。数量を掛けると思ったより積み上がります。
  • 一度やって二度とやらない。魚やオイルの値段は年に何度も動きます。

どのくらいの頻度で計算し直すか

無理のないペースは、売れ筋の原価を四半期ごとに見直し、仕入先を変えたときやメニューの価格を組み直すときに全部やり直すことです。

役に立つ近道があります。50皿すべてを計算する必要はありません。売れ筋の上位10皿で、たいてい厨房売上の60%か70%になります。そこが合っていれば十分です。

よくあるご質問

掛け率3倍で値付けしています。同じことを計算していますか?

本質的にはそうです。掛け率3倍は原価率およそ33%、4倍は25%にあたります。掛け率は価格を、原価率は皿どうしと時間を追った比較を出します。すでに掛け率で回しているなら、必要なのは換算と、どちらの方法でも抜けやすい歩留まりだけです。

人件費は原価に入れますか?

入れません。原価は食材だけです。人件費、家賃、光熱費は店の単位で計算します。皿ごとに配分すると、配分の仕方が常に恣意的なので判断を誤ります。

税込み価格と税抜き価格、どちらで計算しますか?

税抜きです。付加価値税は税務署のために預かっているもので、店の収益ではありません。税込みで計算すると見かけの利益がふくらみ、これがいちばん多い間違いです。

Ordeliが原価を計算してくれますか?

計算そのものは店の仕事です。Ordeliは食材も歩留まりも原材料の消費も持ちません。できるのは、皿に1人前あたりの原価を登録しておくことで、その皿が残す利益を表示します。この計算はそこまでです。

どのくらいの頻度で計算し直すべきですか?

売れ筋の上位10皿は四半期ごと。残りは仕入先を変えたときやメニューの価格を組み直すときです。2年前の原価表は何の役にも立ちません。

原価から価格をどう決めますか?

原価を目標の原価率で割ります。原価6ユーロで30%を狙うなら税抜き20ユーロです。ただしそのあとで、ユーロで見た利益がいくら残るか、その価格が自分のメニューに馴染むかを見てください。