メヌー・デル・ディアとは何か、ランチセットとどう違うか
スペインのメヌー・デル・ディアは販促ではなく制度です。平日の昼の定額で、ふつうは前菜、主菜、パン、飲み物1杯、そしてデザートかコーヒーが入ります。昼の営業をこれだけで埋める店もたくさんあります。
日本のランチセットとの違いは価格ではなく範囲です。ランチセットは1皿が安くなる形が多いのに対し、こちらは飲み物もパンもデザートも中に入った閉じた形です。日替わり1皿の感覚で原価を組むと、3つの項目が丸ごと抜けます。
そしてこれは事業の判断であって、おまけではありません。立地によっては、メヌー・デル・ディアを置かない店は昼の半分を捨てています。
単純平均という間違い
よくあるのは、前菜の原価を出し、主菜の原価を出し、グループごとに平均して足すやり方です。問題は、平均がすべての皿が同じだけ注文されると仮定していることで、そうなることは絶対にありません。前菜にサラダとコロッケが並べば、7割はコロッケに行きます。
紙の上では平均が合います。レジでは合いません。本当の原価を決めるのはいちばん売れる皿であって、一覧の平均ではないからです。
正しい計算:重みづけした原価
各皿に、それが注文される割合で重みをつけます。必要なのはすでに手元にある2つの数字です。皿ごとの原価と、何回注文されたかです。始めるには1週間の営業で足ります。
前菜 原価 割合 重みづけ
ミックスサラダ 1,80 € 20 % 0,36 €
自家製コロッケ 2,60 € 55 % 1,43 €
本日のスープ 1,20 € 25 % 0,30 €
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2,09 €
主菜 原価 割合 重みづけ
メルルーサ焼き 4,90 € 30 % 1,47 €
本日の煮込み 3,20 € 45 % 1,44 €
ローストチキン 2,80 € 25 % 0,70 €
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3,61 €
パン、飲み物、デザート 1,90 €
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セットの重みづけ原価 7,60 €
価格 15,00 €(税込)→ 13,64 €(税抜)
原価率:7,60 ÷ 13,64 = 56 % ← 高すぎます
17,00 € なら → 15,45 €(税抜)→ 49 %セットが背負える原価率
メニュー単品より高くなります。それがふつうです。セットは数で売るもので、その役割は昼の客席を埋めることだからです。単品の25%から35%に対して、40%から50%がよくある範囲です。
ただし55%を超えると、セットは単体では持たなくなり、夜にまた来る人を連れてくるか、含まれている以上に飲む人が出る場合にしか意味がありません。そこは仮定するのではなく確認する必要があります。
飲み物、そこで決まります
多くのセットで、儲かるか儲からないかを分けるのは、価格に何の飲み物が入っているかです。水とソフトドリンクのセットと、ハウスワイン込みのセットはまったく別物です。それでいて、宣伝のされ方は同じです。
決める前に両方の形で計算してみる価値があります。ワインを入れるなら、ワインにも重みをつけてください。全員が頼むわけではなく、頼まない人が平均の利益を押し上げます。
利益を丸ごと食う一皿
必ず1つあります。ほかの倍かかり、しかもいちばん多く出ていく皿です。例のメルルーサはチキンより75%高く、注文の30%を取っています。
出口は3つあり、そのまま放置は含まれません。毎日は出さずに回すこと。単品として自分の価格でメニューに置くこと。あるいは、隣に安くてちゃんと売れる皿を置いて釣り合わせることです。
- 高い皿は常設せず、回して出す。
- 単品として自分の価格でメニューに置き、セットから外す。
- 同じくらい魅力のある安い選択肢と組ませる。
- 選択肢を変えたら、そのたびに重みを計算し直す。
どのくらいの頻度で計算し直すか
選択肢を変えるたび、そして少なくとも3か月ごとです。魚とオイルの値段は年に何度も動きます。10月の価格で1月に組んだセットは、どこにも表れないまま損を出します。
全部をやり直す必要はありません。いちばん注文される3、4皿の原価を更新すれば十分です。重みを動かすのはその皿だからです。
よくあるご質問
日本のランチセットと同じものですか?
完全には同じではありません。ランチセットは1皿が安くなる形が多く、メヌー・デル・ディアは前菜、主菜、パン、飲み物、デザートかコーヒーまで入った定額の閉じた形です。日替わり1皿の感覚で原価を組むと3つの項目が抜けて、それだけで1食あたり2ユーロ近くになります。
セットの税率は単品と同じですか?
同じです。飲食のサービスなので軽減税率が効き、店内で消費するなら飲み物も含まれます。詳しくは飲食店の税率の記事にあります。
持ち帰りだけ別の価格にできますか?
できますし、よくあることです。大事なのは、差額が実際の費用、とくに容器で説明できることと、注文の前に価格がはっきりしていることです。
皿ごとの注文回数のデータがない場合は?
1週間、手で数えてください。5回転もあれば重みづけに使える割合になりますし、そのあとはPOSが手間なく出してくれます。
利益が薄いセットでもやる価値はありますか?
何のために置いているかによります。昼の客席を埋め、どのみち払う固定費を負担してくれるならあります。人を増やす必要が出て、しかも埋まらないなら、答えはたいていありません。
選択肢はいくつ用意すべきですか?
原価を管理でき、鮮度を保てる数だけです。選択肢が増えればロスも増え、見るべき重みも増えます。1品目につき3つあたりが、もう1つ増やしても割に合わなくなる境目です。